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1999年1月15日
放火未遂と窃盗容疑で逮捕された私立高校生が松山地検に送られた。


 

1999年1月15日 放火未遂と窃盗容疑で逮捕された私立高校生(16歳)が松山地検に送られた。

またしても大変な事件が起こった。高校生の放火事件である。今日の新聞報道によれば、松山市内では昨年8月13日から1月13日までの五ヶ月間に20件余りの不審火が発生していたのだが、一昨日13日、私立高校1年生のA君が非現住建造物等放火未遂と窃盗の容疑者として逮捕されたという。窃盗はいわゆるセッチャリ(ウウーン・・・こんな専門用語があるのだ)である。新聞が報じたA君の自供内容や警察・学校の動きを整理すると次のようになる。

@1996年7月、A君(中学2年生)が、気が「むしゃくしゃして」松山南部一帯で約10ヵ所で放火した。A君はこの件で8月に補導され、児童相談所に通告された。
A1998年、A君(中学3年生か高校1年生)は、市内数ヵ所でまた放火した。
B1998年9月26日午前零時ころ、A君(高校1年生)が市内の民家で自転車一台を盗んだ。
C1999年1月11日午前3時前、A君は気が「むしゃくしゃして」、3ヶ月前に盗んだ自転車に載って市内へでかけ市内2ヵ所で放火したが、警察に追跡され自転車を乗り捨てて逃走した。

この後
○警察は、自転車に残されていた遺留品からA君を割り出した。
○1月13日朝、警察はA君を任意同行し、家宅捜査し放火に使われたと見られるガスバーナーを押収した。
○A君逮捕後の同日夜、市内で農業用倉庫に不審火発生。同地域には昨年8月から10月にかけて不審火が4回発生している。     

親の対応については報道されていないが、A君が通学していた私立高校の教頭の談話によればA君の学校での様子は次のようだったという。

D明るく落ち着いた性格である。
E遅刻や欠席はない。
F授業の後、教員に質問をするような真面目な生徒。
G1月11日もいつもの通り登校していた。

その教頭は、この事件についての感想を次のように語ったという。
H「冬休み明けのテストの成績もよく、学校では全く問題がなかったため、とても驚いている」

★彡 14日の報道ではわからなかったけれど、A君は中2の時に既に放火をやってたんだなあ。「魔の中2時代」だ。気持ちがむしゃくしゃしての犯行だったらしい。

★彡 A君はいったい何に腹を立てていたのだろう。怒りが本質的に、自分対他人、あるいは自分対自分といった「人間関係」に対する感情である点はA君も我々もおなじことだろう。ああなるはずなのにそうならない、こうならないはずなのにそうなる。時間はどんどん過ぎていく。自分を見る他人の眼が変わっていく。たかが高校入試準備くらいでギスギスギスギスギスギス。腹が立つ。だれが悪いと決め付けられない怒り。人間が悪い、世間が悪い。むしゃくしゃする。

★彡「怒りを遷さず」―――孔子は若くしてこの世を去った顔回をこう誉めたたえた。怒りを他に遷さないのはかくのごとく難しいことなのだ。我々凡人は、私もA君も自分の怒りを心中に押しとどめておくことはできない。どうしても他に遷すしてしまう。他に遷すにしても、海に向かって「バカヤロオー!」と怒鳴っておく分には罪もないが、普通はもっと面倒なことをしてしまう。魔物のような人間関係によって生み出された怒りは、どうしてもその反撃の矛先が人間関係に向いてしまうようである。敵のわからない反撃、暗闇での乱射。いじめ、暴力、万引き、窃盗、・・・放火。

★彡 事件が明るみに出る。学校内にかん口令が敷かれる。マスコミへの窓口が一本化される。これは大事な措置である。「少年法」は次のように定めている。

家庭裁判所の審判に付された少年又は少年のとき犯した罪により公訴を提起された者については、氏名、年齢、職業、住居、容ぼう等によりその者が当該事件の本人であることを推知することができるような記事又は写真を新聞紙その他の出版物に掲載してはならない

★彡 子どもの将来のための配慮である。まだその少年が審判に付されていないとしても、法のこの精神は先取りされなければなるまい。学校はその少年の氏名を秘匿しなければならない。年齢、学年、住所、容貌を秘匿しなければなければならない。つまり、なにも語らないために窓口を一本化するのである。

★彡 今回の場合(いつもこういう対応が多いが)、学校側はマスコミへの窓口を一本化した上で、A君について次のようにコメントしている。

D明るく落ち着いた性格である。
E遅刻や欠席はない。
F授業の後、教員に質問をするような真面目な生徒。
G1月11日もいつもの通り登校していた。
H冬休み明けのテストの成績もよく、学校では全く問題がなかった。

★彡 これは、考えて見れば、語り過ぎではないのか。こう言ったからといってなにがどうなるものでもない。少年法の精神から言えば、もっと黙っておく方法を考えるのが学校の仕事ではないか。

★彡 たしかに、学校としては事件発生を防止する方法がなかった、ということを訴えているのはわかる。実際、学校ができることというのはそう多くはないのだ。しかし、教頭のこのコメントによって、この学校が、遅刻や欠席しない生徒、質問する生徒、成績のいい子は問題のない子だ、と考えていることを天下に知られてしまったことに気づいているのだろうか。あるいは、この学校には、

「成績がある程度よくて、服装やヘアスタイルがきちんとしていて、遅刻や欠席がない生徒であればいいのだろうか。人間と言うものはそんなに単純なものなのだろうか」

と問題提起する教師がいないのか。

★彡 学校はなにをすべきなのだろうか。残念ながら、このような事件が発生したとき、学校や教師ができることは限られている。次の3点を挙げておきたい。

  • 家庭裁判所の審理に協力する
  • 付き添い人として生徒を守る
    ★彡 生徒のいいところを一番よく知っているのは教師である。担任の教師や部活の指導者が、不安な気持ちで審問の席に立つ生徒の傍で支えてやることは大事な仕事であろう。この仕事をもっと重視したい。
  • 氷山の一角から氷山理解を深める
    ★彡 学校はこういうときに勉強をしたい。その学校には、第2、第3、第4のA君が確かにいるのである。反社会的な行為は放火だけではない。心を理解するための研究をもっともっとやらなければならない。

    ★彡 先の孔子の言葉「怒りを遷さず」の後には、「過ちを弐(ふたた)びせず」とつながっていた。A君は中学の時の過ちを高校でも犯してしまった。だが、孔子の言葉通り「過ちを繰り返さない」ということも至難のことなのである。

    ★彡 「反省する」ということは「決心する」ということではなかろうか。そして、決心するとことは、禁煙ひとつでも解るように難しいことである。A君はおなじ過ちを繰り返さない、と考える方が無理なのかもしれない。A君の更正のための中学校・高校の連携はどうだったのだろう。
     家庭との懇切な話し合い、生徒との和やかな懇談を活発にしよう。「審判」ですら

     第22条(審判の方式)
     審判は、懇切を旨として、なごやかに、これを行わなければならない。

     と定めている。ましてや生徒と教師との懇談においておや、である。

    P/C 火災原因についての資料は→ 消防庁の統計


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資料 刑法第9章「放火及び失火の罪」から


第9章 放火及び失火の罪〔平七法九一章名改正〕

第108条(現住建造物等放火
放火して、現に人が住居に使用し又は現に人がいる建造物、汽車、電車、艦船又は鉱坑を焼損した者は、死刑又は無期若しくは五年以上の懲役に処する。

第109条(非現住建造物等放火
放火して、現に人が住居に使用せず、かつ、現に人がいない建造物、艦船又は鉱坑を焼損した者は、二年以上の有期懲役に処する。
2 前項の物が自己の所有に係るときは、六月以上七年以下の懲役に処する。ただし、公共の危険を生じなかったときは、罰しない。

第110条(建造物等以外放火) 放火して、前二条に規定する物以外の物を焼損し、よって公共の危険を生じさせた者は、一年以上十年以下の懲役に処する。
2 前項の物が自己の所有に係るときは、一年以下の懲役又は十万円以下の罰金に処する。

第111条(延焼)
第百九条第二項又は前条第二項の罪を犯し、よって第百八条又は第百九条第一項に規定する物に延焼させたときは、三月以上十年以下の懲役に処する。
2 前条第二項の罪を犯し、よって同条第一項に規定する物に延焼させたときは、三年以下の懲役に処する。

第112条(未遂罪)
第百八条及び第百九条第一項の罪の未遂は、罰する。

第113条(予備)
第百八条又は第百九条第一項の罪を犯す目的で、その予備をした者は、二年以下の懲役に処する。ただし、情状により、その刑を免除することができる。


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資料 「少年法」から

◎少年法
(昭和23年7月15日・法律第168号)
施行、昭24・1・1
改正、平7-法91

第1章 総則

第1条(この法律の目的)
この法律は、少年の健全な育成を期し、非行のある少年に対して性格の矯正及び環境の調整に関する保護処分を行うとともに、少年及び少年の福祉を害する成人の刑事事件について特別の措置を講ずることを目的とする。

第2条(少年、成人、保護者)
この法律で「少年」とは、二十歳に満たない者をいい、「成人」とは、満二十歳以上の者をいう。
2 この法律で「保護者」とは、少年に対して法律上監護教育の義務ある者及び少年を現に監護する者をいう。

第2章 少年の保護事件

第1節 通則


第3条(審判に付すべき少年) 次に掲げる少年は、これを家庭裁判所の審判に付する。
一 罪を犯した少年

二 十四歳に満たないで刑罰法令に触れる行為をした少年
三 次に掲げる事由があつて、その性格又は環境に照して、将来、罪を犯し、又は刑罰法令に触れる行為をする虞のある少年
イ 保護者の正当な監督に服しない性癖のあること。
ロ 正当の理由がなく家庭に寄り附かないこと。
ハ 犯罪性のある人若しくは不道徳な人と交際し、又はいかがわしい場所に出入すること。
ニ 自己又は他人の徳性を害する行為をする性癖のあること。

‥‥‥………――――中略―――――――――――――――――――― 第2節 調査及び審判

第6条(通告)
家庭裁判所の審判に付すべき少年を発見した者は、これを家庭裁判所に通告しなければならない
2 警察官又は保護者は、第三条第一項第三号に掲げる少年について、直接これを家庭裁判所に送致し、又は通告するよりも、先づ児童福祉法(昭和二十二年法律第百六十四号)による措置にゆだねるのが適当であると認めるときは、その少年を直接児童相談所に通告することができる。

第10条(附添人)
少年及び保護者は、家庭裁判所の許可を受けて、附添人を選任することができる。但し、弁護士を附添人に選任するには、家庭裁判所の許可を要しない。
2 保護者は、家庭裁判所の許可を受けて、附添人となることができる。

‥‥‥………―――中略―――――――――――――――――――――

第16条(援助、協力)
家庭裁判所は、調査及び観察のため、警察官、保護観察官、保護司、児童福祉司又は児童委員に対して、必要な援助をさせることができる。
2 家庭裁判所は、その職務を行うについて、公務所、公私の団体、学校、病院その他に対して、必要な協力を求めることができる。

第17条(観護の措置)
家庭裁判所は、審判を行うため必要があるときは、決定をもつて、次に掲げる観護の措置をとることができる。
一 家庭裁判所調査官の観護に付すること。
二 少年鑑別所に送致すること。
2 同行された少年については、観護の措置は、遅くとも、到着のときから二十四時間以内に、これを行わなければならない。検察官又は司法警察員から勾留又は逮捕された少年の送致を受けたときも、同様である。
3 第一項第二号の措置においては、少年鑑別所に収容する期間は、二週間を越えることはできない。特に継続の必要があるときは、一回に限り、決定をもつて、これを更新することができる。但し、検察官から再び送致を受けた事件が先に第一項第二号の措置がとられ、又は勾留状が発せられた事件であるときは、収容の期間は、これを更新することはできない。

‥‥‥………―――中略―――――――――――――――――――――

第22条(審判の方式)
審判は、懇切を旨として、なごやかに、これを行わなければならない。
2 審判は、これを公開しない。

‥‥‥………―――中略―――――――――――――――――――――

第24条(保護処分の決定
家庭裁判所は、前条の場合を除いて、審判を開始した事件につき、決定をもつて、次に掲げる保護処分をしなければならない。
一 保護観察所の保護観察に付すること。
二 教護院又は養護施設に送致すること。
三 少年院に送致すること。

2 前項第一号及び第三号の保護処分においては、保護観察所の長をして、家庭その他の環境調整に関する措置を行わせることができる。

‥‥‥………―――中略―――――――――――――――――――――
第3節 処分
第51条(死刑と無期刑の緩和)
罪を犯すとき十八歳に満たない者に対しては、死刑をもつて処断すべきときは、無期刑を科し、無期刑をもつて処断すべきときは、十年以上十五年以下において、懲役又は禁錮を科する。

第52条(不定期刑)
少年に対して長期三年以上の有期の懲役又は禁錮をもつて処断すべきときは、その刑の範囲内において、長期と短期を定めてこれを言い渡す。但し、短期が五年を越える刑をもつて処断すべきときは、短期を五年に短縮する。
2 前項の規定によつて言い渡すべき刑については、短期は五年、長期は十年を越えることはできない。 倍3 刑の執行猶予の言渡をする場合には、前二項の規定は、これを適用しない。

第53条(少年鑑別所収容中の日数)
第十七条第一項第二号の措置がとられた場合においては、少年鑑別所に収容中の日数は、これを未決勾留の日数とみなす。

第54条(換刑処分の禁止)
少年に対しては、労役場留置の言渡をしない。

‥‥‥………―――中略―――――――――――――――――――――
第56条(懲役又は禁錮の執行) 懲役又は禁錮の言渡を受けた少年に対しては、特に設けた監獄又は監獄内の特に分界を設けた場所において、その刑を執行する。
2 本人が満二十歳に達した後でも、満二十六歳に達するまでは、前項の規定による執行を継続することができる。

第57条(刑の執行と保護処分)
保護処分の継続中、懲役、禁錮又は拘留の刑が確定したときは、先に刑を執行する。懲役、禁錮又は拘留の刑が確定してその執行前保護処分がなされたときも、同様である。

第58条(仮出獄)
少年のとき懲役又は禁錮の言渡を受けた者には、次の期間を経過した後、仮出獄を許すことができる。
一 無期刑については七年
二 第五十一条の規定により言い渡した有期の刑については三年
三 第五十二条第一項及び第二項の規定により言い渡した刑については、その刑の短期の三分の一

第59条(仮出獄期間の終了)
少年のとき無期刑の言渡を受けた者が、仮出獄を許された後、その処分を取り消されないで十年を経過したときは、刑の執行を受け終つたものとする。
2 少年のとき第五十一条又は第五十二条第一項及び第二項の規定により有期の刑の言渡を受けた者が、仮出獄を許された後、その処分を取り消されないで仮出獄前に刑の執行を受けた期間と同一の期間又は第五十一条の刑期若しくは第五十二条第一項及び第二項の長期を経過したときは、その何れか早い時期において、刑の執行を受け終つたものとする。 第60条(人の資格に関する法令の適用) 少年のとき犯した罪により刑に処せられてその執行を受け終り、又は執行の免除を受けた者は、人の資格に関する法令の適用については、将来に向つて刑の言渡を受けなかつたものとみなす。 2 少年のとき犯した罪について刑に処せられた者で刑の執行猶予の言渡を受けた者は、その猶予期間中、刑の執行を受け終つたものとみなして、前項の規定を適用する。 3 前項の場合において、刑の執行猶予の言渡を取り消されたときは、人の資格に関する法令の適用については、その取り消されたとき、刑の言渡があつたものとみなす。 第5章 雑則

第61条(記事等の掲載の禁止)
家庭裁判所の審判に付された少年又は少年のとき犯した罪により公訴を提起された者については、氏名、年齢、職業、住居、容ぼう等によりその者が当該事件の本人であることを推知することができるような記事又は写真を新聞紙その他の出版物に掲載してはならない

 






 


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